どうも、りかちゅうです!「江戸生艶気樺焼」という黄表紙が江戸文化に存在していました。この話は山東京伝が描きました。この作品がどうかしたのか?実は「江戸生艶気樺焼」は大人の絵本として好評でした。話の内容からしても笑っちゃいますからね。また、この作品は「べらぼう」でもキーポイントとなります。だからこそ、この記事にてその作品について話しますね!
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江戸生艶気樺焼とは?
「江戸生艶気樺焼」はどんな作品なのと思う方もいると思うのでまずはその概要から話しますね!
概要
「江戸生艶気樺焼」は1785年に山東京伝が作った黄表紙で上中下3巻です。この作品は大人の絵本として江戸時代後半の黄表紙の代表作とされる。ちなみに、京伝が「江戸生艶気樺焼」を発表したのは20代中頃でその後も多くの作品を残しています。ちなみに、「江戸生」は「江戸前」という意味です。また、「艶気樺焼」は「うなぎのかばやき」にひっかけているそうです。
話の内容
後ほど物語の全貌を話しますが少しだけ話しますね。モテない主人公の艶二郎がとことんモテる経験をしてみたいと考えはじめました。その際に艶二郎はお金にモノを言わせて自分がモテているかのようなシチュエーションを演出します。
詳細としては金満家仇気屋の独り息子の艶二郎は醜いくせにうぬぼれが強く、悪友の北里喜之助と悪井志庵などにそそのかされ情事の浮名を世間に広めようとお金にまかせてさまざまな計画を立てるが、艶二郎は馬鹿者という名が立つばかりでした。そして、最終的に吉原の遊女を身うけして情死のまねごとをしようとして、盗賊に会い、丸はだかの道行となる。実は父親と番頭の仕組んだ狂言で、それから改心するという筋。
山東京伝とはどんな人?
山東京伝とは浮世絵、戯作、随筆など幅広い分野で活躍した人です。1761年に江戸の深川・木場の質屋の息子として生まれました。ちなみに、京伝は2つの名前がありました。実は彼は浮世絵師としての画号は北尾政演なんです。また、「京伝」という名前は住んでいた「京橋」と呼び名の「伝蔵」から来ました。詳しいことはこちらをみてください!
江戸生艶気樺焼の詳細
「江戸生艶気樺焼」とは羨望の塊の奴が冒険するストーリーでもあります。そのため、良くも悪くも見がいのある話です。ですので、話の全貌をこれから話しますね!
1.モテたいと思い始めた艶二郎
100万両長者と呼ばれた豪商の仇気屋のひとり息子こと艶二郎という男がいました。年齢は19~20歳くらいで何不自由ない暮らしを満喫していました。それはそうですね。そんな大金持ちなら不自由ないでしょうね?そんか彼はある日、芝居の中に登場する男みたいに「モテたい!」とふと思い始めました。どうなや、モテモテになれば命を落としてもかまわないと馬鹿らしいことを考えるようになりました。初めは軽ノリでした。ですが、艶二郎その思いは日に日に強くなり命懸けでそう思うようになってしまったのです。
2.悪友と事を実行する
そこで、艶二郎は仲が良かった北里喜之介と悪井志庵に女性にモテる方法はないかと相談しました。その結果、モテる男は入れ墨をしているものだということになり、両腕から指にまで女性の名前を彫っていきます。艶二郎は痛いのをこらえながらもこの痛みがイキだと喜びました。もう狂ってますね。
さらに、志庵が「元カノがいた様子が伝わった方が良いんじゃない?」とアイディアを出しました。そのため、一部の入れ墨はお灸で消したそうです。さらに、艶二郎は役者の家へ美しい女性が押しかけたという話をうらやましく思い近所で評判のおゑんという踊り子を50両という大金で雇って艶二郎の元へ駆け込ませようとしました。
3. おゑんは快諾で調子に乗る艶二郎
志庵がおゑんのもとに頼みに行きおゑんは快諾したのです。そして、約束通りおゑんは艶二郎の家に押しかけ「植木の影からこちらの艶二郎さんに一目惚れしました。女房にしてもらえないのでしたら飯炊き女でもよいので、ここにおいて欲しいのです。それもダメなら死ぬ覚悟でございます。」と頼んだ通りの言葉をしゃべりまくります。これに気を良くした艶二郎は「もう10両追加するからもっと大きな声で頼む」と依頼しました。
4.自分からそのネタを広める
その様子を見た仇気屋の番頭は「若旦那のお顔でこんなことあるのか?おゑんさんとやら、家を間違ってませんか?」と聞きました。さらに、仇気屋で働く下女たちは「うちの若旦那にほれるなんてとんだ変わり者だ」と言いました。ただ、この話は世間では有名にはなりませんでした。艶二郎はエスカレートして一人1両で雇って市中にそのネタを売らせました。ですが、大半の人たちは「なんだい。ただのやらせだろ?」という扱いしかしてません。
5.吉原デビューする
そこで、今度は吉原で女遊びを始めて遊女との噂を立てようと考え、悪井志庵や北里喜之介らを取り巻きに吉原の仲の町へ行きます。そして、艶二郎は浮名屋の浮名という花魁に会い惚れられたつもりになりました。そのため、襟元を正しながら、「色男はまったくいつでも気を遣うものだぜ」と言っちゃいます。このように、良い気分になった艶二郎でふが遊女と遊んで家に帰っても焼餅を焼いてくれる女房がないと物足りないなと思ってしまいます。
6.200両で妾を雇う
嫉妬さえしてくれればよいということで40歳くらい女性を200両の支度金で妾に迎えました。その気になってる艶二郎はその女性に「去年の春に中州で会った私娼ではないか?結婚詐欺じゃないだろうね?」とお道化てみせます。
それに対し、女性は「私を嫁にしたとしても女遊びに夢中で私などお構いにならないでしょう」と早くも嫉妬を表します。ですが、艶二郎は浮名花魁が最高だと思い、商売抜きの相手になりたいと思うようになりました。ですが、浮名は承知しません。
7.浮名を独占
浮名に断られたものの、艶二郎は悪井志庵を表向きの客にして浮名を連日独占し、イキな自分に酔いしれました。そして、艶二郎は 5〜6日ぶりに家に帰ると、待ちかねていた妾は連日練習していた不満を存分に言いまくり焼餅を焼きました。艶二郎はこれに嬉しくなってしまい、「もっと妬いてくれたら、着物と帯を買ってやるよ。もうちょっと頼む、もうちょっと頼む」とお願いしどんどん妾の願いを叶えていきます。
8.ヤクザに絡まれることに憧れを持つ
ある日、芝居をみた艶二郎は色男はヤクザ者に絡まれて殴られるもんだと思い込みました。そして、艶二郎はヤクザ者を雇います。艶二郎は雇ったヤクザに罵られながらも艶二郎は「その拳には3分ずつの金がかかっている。少し痛くてもいいから、上手に見栄えの良いように頼む、頼む」とお願いしました。こうして欲望を叶えてきた艶二郎ですが急に金持ちが嫌になりました。
9.親に勘当を依頼する
そこで、艶二郎は自分を勘当してほしいと両親に願い出ます。艶二郎は一人息子のため親たちは勘当できないと両親は拒否するののの、75日という期限を決めて勘当が許されました。そして、艶二郎は芸者7~8人を雇い浅草観音に艶二郎の勘当が解けるようにお参りをさせます。
ただ、あくまで勘当ごっこなので艶二郎は金は母親から送られてくるので何も困りません。そこで、人の気を引く商売をしてみたいと、扇売りを始めました。
10.扇売りで勘違いする
扇売りは色男がやるものと相場が決まっておりましが、街ゆく女性は艶二郎は「鳥羽絵みたいな男が通ったよ」と言われます。一方、艶二郎は「また惚れられたみたいだ。色男は大変だぜ」とご満悦です。調子に乗り続けた艶二郎ですが75日という約束が過ぎ20日の勘当延期を願いでました。
11.浮名を身請けして心中劇をする
そして、ついに芝居最大の見せ場である心中がしたいと言い始めますが浮名は承知しません。そこで、浮名を1,500両で身請けして心中のための衣装を買い集めます。ただ、この心中は喜之介と志庵の合図で心中を辞めるというようにシナリオをしっかりと作りっています。それでも、浮名は艶二郎との心中とは外聞が悪いとなかなか承知しませんでした。しかし、艶二郎は心中が終わったら好きな男と一緒にしてやると言い、ようやく納得します。
すんなりと身請けするなど色男らしくないと思う艶二郎は駆け落ちする形をとりながらも窓の格子を壊して開け2階から抜け出すようにしました。店からは「身請けしなら自由にすれば良いですが格子の修理代は200両にまけとくね」と言われ、艶二郎は承諾しました。
12.心中劇でハプニング
そして、無事に吉原を出た艶二郎と浮名は最期の場所につき志庵たちに合図を送ったら突然、黒装束の泥棒が2人現れました。泥棒は「お前らはどうせ心中して死ぬのだから俺たちが介錯してやろう」と脅し、2人の衣服をはぎとって真っ裸にしてしまいました。
慌てた艶二郎は「おいおい、早まっては困る。おれたちは死ぬための心中ではない。ここへは止め役が入るはずなのにどうして間違ってしまったんっだ。着物はあげますから命だけはお助けください。」と言いました。そして、泥棒は「これ以後こんな考えは起こさないか?」と泥棒が尋ね艶二郎は「これで懲りないはずはありません」と答えました。それから、勘当の期限も切れたので2人は仇気屋へ向かいました。
13.泥棒の正体と結末
実家に帰った艶二郎は奪われた着物が懸けてあるのを見て不思議に思っているとお父さんとと番頭が奥の間から現れました。なんと、先ほどの泥棒はお父さんと番頭が変装していたというのです。そして、艶二郎はお父さんに叱られ、艶二郎は心を入れ替えることを誓いました。
浮名も艶二郎の男ぶりの悪さは我慢して他の男のところにも行かず夫婦となります。そして、艶二郎は安泰となり仇気屋はますます繁盛したのでした。さらに、艶二郎は浮気心への執着を断ち切るために黄表紙にして世間にしらせようと山東京伝に頼んでまとめてもらいました。
江戸生艶気樺焼とべらぼう
誰袖が愛する意知を突然亡くなりました。そのため、誰袖は何かにとりつかれたように呪詛すしていました。そんな時、重三郎は本で意知の「仇討ち」をしてやることでした。そのため、完成した「江戸生艶気樺焼」を重三郎は誰袖に読み聞かせます。艶二郎と浮名の段になると誰袖の目が輝き始めます。きっとハッピーエンドの「江戸生艶気樺焼」に誰袖の心は少し救われたのかなと思われます。
まとめ
主人公は若いうちに叶えられなかった何かを拗らせてたからこんな物語になったのかなと思いますね。幸いなことにお金があったから叶えられた部分はありますがwwwwwwww。実際に結果として浮名とも生活できましたからね?彼女の本心は何とも言えませんが。
要するに、この話は私的には何かを拗らせた男が何とかして夢を叶えた話なのかなと思っています(まあ、お金ありきでハッピーエンドなのでそれもそれとは思いますけどね)。以上です!最後まで読んでいただきありがとうございました。